常念山脈(長野) 常念岳(2857m) 2022年9月3日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:56 駐車箇所−−2:04 林道終点−−2:15 山ノ神−−2:25 古池−−2:54 大滝−−3:39 笠原沢−−4:22 最終水場−−5:08 常念乗越(雨具装着) 5:22−−6:11 常念岳 6:26−−6:58 常念乗越8−−7:23 最終水場−−7:47 笠原沢−−8:15 大滝−−8:33 古池−−8:38 山ノ神−−8:46 林道終点−−8:50 駐車箇所

場所長野県安曇野市/松本市
年月日2022年9月3日 日帰り
天候曇後雨時々止む
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場「公式駐車場」より先にも林道沿いに駐車余地あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば文句なしの大展望
GPSトラックログ
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コメント秋雨前線が本州に停滞し沖縄には台風が停滞して湿った南風が前線に吹き込んで悪天予想の中を登ったが、見事に雨に降られて雨傘が大活躍した。しかし日の出直後は直射日光が差し込んで見事な虹見ることができ、山頂到着時は奇跡的に雨が止んで無人の山頂を独占できた。この天気でも2,30人が登っていった。登山道はあちこちで小さな沢状態で防水性能が失われた私の登山靴では太刀打ちできなかった


常念岳山頂から見た穂高連峰〜槍ヶ岳。完全に雲の中で見ることはできなかった


午前2時前に出発。雨は降っていない 林道終点のトイレ。センサーでライトが自動点灯
麓に近い場所ではまだ星が見えた 標高1700m付近。霧がかかる
標高2130m付近から見た安曇野市街地の夜景 午前4時半近くで東の空が白みだす
午前4時40分過ぎ。雨が降っているが東の空は明るい 雨の常念乗越から見た常念岳。一人のライトの光あり
雨でも東から日の出 日の出の時間は雨でもまだ槍が見えていた
雨が止んできた 安曇野側から滝雲が越える
雨+日差しがあったので虹が出た トウヤクリンドウ
一時的に天候が回復し雨が止んだ 大天井岳
山頂が見えた。ガスは一時的 無人の常念岳山頂
常念岳から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)。槍穂は雲の中だったが雨が止んだタイミングだったのはラッキーだった
常念岳から見た燕岳、餓鬼岳
下山開始。再び本降りの雨 ウラシマツツジは紅葉し始め
ハクサンオミナエシの実 ママコナ
コゴメグサ。ほとんど終わりで数輪しか見つからなかった 常念乗越
ウメバチソウ タカネヨモギ
僅かに残ったアオノツガザクラ オヤマリンドウ
カニコウモリ ミヤマアキノキリンソウ。標高が高い場所ではほぼ終わり
最終水場。雨でも水量変わらず ミソガワソウ
ゴマナ たぶんシラネニンジン
ハンゴンソウ トリカブト
胸突き八丁の滑りやすい木道 ヤマホタルブクロ
チョウジギク。湿った場所に生える ソバナ
雨+ガスで下山時も涼しかった いつもは涸れた沢に水が流れていた
ヤマハッカ 古池
山ノ神 キンミズヒキっぽい
ツリフネソウ 林道終点。タクシーを降りた若者パーティーが出発準備中
駐車余地到着。まだ空きがあった。ここでも雨が降ったまま


 今週末は天気が悪い。沖縄付近に台風がいて本州上には梅雨前線が居座る典型的大雨パターン。それでも中部日本付近の前線の活動は弱いようで、北アルプス付近は雨が降るかどうかギリギリの予報。いつも数種類の予報をネットで見ているが、今回は半分が雨で半分が曇り。傾向としては西側ほど雨の確率が高いので、北アの中でも東端の常念山脈が最も雨の確率が低いはずで、雨が降らない方に賭けて常念岳を目指すことにした。まあ、雨が降ってもいいように準備はしておくが。

 土曜日の下界の天気予報は曇り後雨なので、金曜夜の一ノ沢林道に駐車している車の数は極端に少なかった。「公式駐車場」以外に車が一台も見られないのは夏場の週末としては非常に珍しい。金曜夜の時点では予報より天気は良くて雨は降っていなかったし、出発時も雨は降っていなかった。このままの状態で推移すればいいが、基本的に天気は下り坂でお昼頃からは確実に雨の予報。できるだけ早く登って早く下るのがいいが、予報では夜中は雨となっているので山頂到着を午前6時に設定した。

 今週はちょっと寝不足気味だったので酒を飲んで爆睡し、夜中に起床したら隣に車が駐車していた。手早く飯を食って出発。意外にも頭上には満天の星空が広がっているが、稜線はどうだろうか。谷までは風はほとんど無し。今回は雨の装備はしっかりとして防水性能が落ちたボロゴアではなく下界用の雨カッパに傘、カメラ等が濡れないよう防水用各種袋に物を詰め込んだ。

 林道終点から登山道へ入るがしばらくは樹林の隙間から星が見えていて、もしかしたら稜線も晴れているのではと期待させられる。しかし進むにつれて徐々に星が見えなくなり、やがてガスがかかるようになった。しかしガスは一時的でこれを抜けると星空・・・ではなく曇り空のようで星は全く見えなくなった。いよいよ下り坂かも。しかし意外と雨は落ちてこずに胸突き八丁を通過して左岸の高巻き中に雨が降り出して傘を取り出す。この時期にしては気温は高めで半袖半ズボンのままでも寒さは感じず体を動かしている分には適度であった。雨は最初のうちは断続的で止み間があり、傘をたたんで歩く時間の方が長かったりした。

 最終水場で100ccほど補給して先に進む。ここから一ノ沢を広範囲で見下ろすことができるが登山者の光は皆無。この時間に歩いているのは私一人のようだ。シラビソ樹林帯の登りでは雨が本降りとなり傘が大活躍。樹林帯は風が無いので傘でも十分に役立つし、傘は蒸れないのが最大の利点だ。しかし風が吹けば使えないのが難点。

 常念乗越直下でライトが不要な明るさになると同時に西寄りの風が強まり、傘では雨に対応しきれないと判断して上下とも雨具を着用。下界用の雨カッパは登山靴を脱がないとズボンが履けないのが難点で、雨の中を傘で体を濡らさないようにしてカッパのズボンを履いた。常念岳への登山道に見えている明かりは1つだけだった。まあ、この雨では仕方なかろう。天気予報通りに西の県境稜線に近いほど雨が降りやすいようで、逆に東側の安曇野は雲が薄くて空が明るく、場所によっては雲の隙間から青空が見えるほどであったので雨は降っていないようだ。あのエリアがちょっとでもこちらに広がって雨が止んでくれたらいいのになぁ。

 合羽を着て傘をさして常念岳への登りを再開。本降りの雨の割には槍穂の稜線が見えているのにはびっくり。雨で霞んではいるが雲はかかっていない珍しいパターンだったが、その後すぐに雲に覆われて見えなくなってしまった。

 鞍部だけやや風があったが登りにかかると風がやんで傘が有効に使えるようになった。しかし着てしまったカッパを雨の中で脱ぐのも面倒なのでそのまま登ったが、さすがに風通しが悪いので暑さを感じるようになりスピードダウンする。下ってくる単独の女性とすれ違ったのが常念乗越〜常念岳山頂間で出会った唯一の人だった。ここまで人がいない常念岳は初めてだったが、それだけ天気が悪かったということだろう。

 常念乗越では本降りだった雨は徐々に弱くなってきた。そして日の出の時刻を過ぎて太陽が東の空の雲の隙間から顔を出すと西側には鮮やかな虹が出現! 虹は雨粒と直射日光の両方が必要であり、ここは今はちょうど雨が降るかどうかの境界線上に位置しているので条件にぴったりであった。雲の隙間は狭く虹が見えるのは短時間だけなので急いで写真撮影。案の定、数分で虹は消えてしまった。しかし、雨の方はさらに降り方が弱まり止んでくれた。傘を畳んでカッパの上着を脱いで体を冷却。

 雨は止んだままだが山頂到着直前に山頂に安曇野側からガスがかかるのが見えて残念に思ったがそれは一時的で、私が常念岳山頂に到着した時にはガスはかからず微かに雨粒が落ちてくる程度で雨具は不要な状態であった。常念岳が雨の境界付近で西側の槍穂側は雨のエリアで雲に隠れて見えなかったが、大天井岳にかけての稜線はすっきりと見えていた。蝶ヶ岳はこちらより標高が低いのに雲が多く、蝶槍は見えているが蝶ヶ岳山頂付近は雲の中だった。餓鬼岳より奥の後立山は雲がかかって全く見えなかった。東の安曇野側は雲が薄く日差しが見られた。ほぼ雨がやんでいたので山頂で写真撮影できた。

 無人の山頂で休憩してパンを齧っていると徐々に雨が強くなってきたので再び傘を差す。こんなときに傘は非常にありがたい。カッパでも雨はしのげるが飯を食うのに困る。人間は濡れなくても飯は濡れてしまうし荷物の出し入れ時にザックも濡れてしまうが、傘ならそれがなくて済むので快適に休める。ただし風が無ければの話であるが。今回ももし風があったら飯を食うことも無く休憩無しでそのまま下山開始だったであろう。

 下山開始時は再び本降りの雨となり、無人の登山道を下って常念乗越へ。通常の土曜朝なら賑わうこの場所もゴアを着用した数人の姿があるだけでテントも皆無で閑散としていた。雨は相変わらず強い。樹林帯を下っていく途中でカッパを上下とも脱いで以降は傘だけで雨対策。稜線から下ってしまえば風が無いのでこれで濡れることはない。ただし登山道は登ってきたとき以上に雨の影響が強まり、一ノ沢本流に下る間でさえ小さな沢のようになっていて、防水性能が劣化して水が染み込む私の登山靴では徐々に浸水してしまった。

 最終水場で休憩中の登山者に会ったが登りの人なのか下りの人なのかは不明。その後は登山口までにすれ違った人は合計で20人くらいで、夏山シーズンの通常の土曜日の1/10程度であった。登りでは一ノ沢沿いの登山道では傘は不要だったが、下りではほとんどの時間で本降りの雨が降ったままで、樹林帯の中でも傘が必要なほどであった。よって登りの登山者はゴアを着用して歩いていたが、悪天で日差しが無いとは言ってもあの格好では汗を相当量かかされるであろう。私のように傘を差して歩いていたのは1人だけであった。

 林道終点に到着すると学生パーティーと思われる5人くらいの男女が小屋の庇の下で雨を避けながら出発準備中。天気予報では明日には天候が回復すると言っているが、それでもこの雨の中を出発するのは気力が必要だ。私も若い時には初日雨でも入山していたが、齢を取ってからはそんな気力は無い。今回のように日帰りだったら下山すれば着替えがあるので濡れても構わないが、雨の中のテント泊ではそうはいかない。

 無人の車道を歩いて駐車余地に到着。車は2台増えていたがまだ1台分の余裕があるままだった。ここはまともな駐車余地としては最も登山口に近い場所であり、土曜日に空きがあるなんてことは滅多にないので、入山者数の少なさを雄弁に物語っている。「公式駐車場」の少し下にある林道脇の広い駐車場には1台の車も無かった。

 今回は本降りの雨だったので花の写真も少な目。山はもう秋に入り夏の花はほぼおしまいでカメラの出番が少なかったが。夏らしい花は常念乗越で僅かに咲き残ったママコナ、コゴメグサ、アオノツガザクラくらいであり、他は全て秋の花であった。しかしそれらも徐々に見られなくなり、代わって紅葉が見られる様になるだろう。気の早いウラシマツツジは既に赤くなり始めていた。

 

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